チワワの歴史③
チワワの歴史
・文:藤田りか子
今時のチワワ事情
メキシコのローカル犬だったチワワ、今やその人気は世界的だ。日本では90年代の終わりから2000年のはじめ頃に流行りだした。その数年後にヨーロッパでもブームがやってきた。なぜこんなに人気が出たのか?それは人々の生活が世界的にアーバン化(都市化)を迎えているためではないかと思うのだ。都市に住む、ということはまずスペースに限りがある。忙しくて時間もままならない人も多いはずだ。その状況でも唯一飼えるのが世界一小さな犬種チワワ、と多くの人は考えたのではないか。場所を取らないから狭いマンションでも飼えそう、そしてもしかしてあまり散歩に行かなくてもいいかもしれない(忙しくて時間もないし…)。さらにチワワの可憐な見かけは気持ちを癒してくれる…。
しかし、その小さな体にかかわらず、チワワは犬としての一通りのニーズを持つ。小さくても、犬だ。退屈は嫌い。本来は散歩が大好きな犬である。お人形ではなく「犬らしい」生活を与えるのがチワワへの尊厳というものでもあるだろう。人気があるのは結構なことではあるが、「癒してくれる」など人のニーズばかりでチワワを求めないでいただきたいものだ。