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ポメラニアンの歴史①

皆さんは、愛犬の犬種の歴史を知っておりますでしょうか。本日から2回に分けてポメラニアンの歴史をご紹介します。愛犬がどのような歴史をたどってきたのか覗いてみましょう。

ドイツのスピッツ、ポメラニアン
・文:藤田りか子

ポメラニアンはスピッツ犬という部類にカテゴライズされる犬種です。スピッツというと、多くの人は日本スピッツを思い起こすことでしょう。スピッツという言葉の本当の意味は、立ち耳でたいてい巻尾(さし尾の場合もある)の比較的原始タイプな犬を意味します。柴、秋田犬などの日本犬、シベリアン・ハスキーもスピッツ系の犬種です。ただし同じ立ち耳でもジャーマン・シェパードはスピッツ系の仲間には入らず、系統をことにする犬のタイプ。ヨーロッパの古い牧羊犬のカテゴリーに属します。こちらについての詳細は話が長くなるので、またの機会に!

日本のお座敷愛玩犬の定番として、かつてビクトリア女王のお気に入りの膝犬として、ショードッグのスターとしての、小さな「ポメラニアン」が一般の印象ですから、なかなかこの犬種をスピッツの仲間として結びつけるのは容易ではないでしょう。スピッツといえば、ハスキーのように外で寝るのが好きなタフなイヌというイメージがありますね。

しかし、なるほどスピッツという観念でポメラニアンを眺めれば、そのキャラクターに愛玩犬以外の側面も見えてきます。何世代の選択交配の結果、人の側を愛する典型的な小型愛玩犬にはなってはいますが、心にはまだまだスピッツらしさを十分残しています。人の気配がすれば、果敢に吠えます。散歩も、飼い主さえ体力が続けば、何キロでもついて歩きます。聡明で自信に溢れ、小さいからといって私たち人間は決してあなどれませんね。ドッグショーのリングでも、それも大観客のど真ん中で、「ほら、ワタシ、ポメラニアンの登場よ」といわんばかりに、小さな自分をあれだけ押し出せる表現力の豊かさ、なかなかの肝の太さも見せてくれます。スピッツらしさとはこういうところにも見えるのではないかと思うのです。

とはいえ、その顔は砂糖菓子のようにスウィート。ポンポンのような被毛、そこから突き出している四肢はよくチョコチョコと動きます。見かけと性質がなんとなく矛盾しているようですね。このアンバランスさは、他のどのスピッツにも備わらないポメラニアンが持つ独特の魅力ともいえます。

 

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