グループ別の歴史をご紹介。グループ6は嗅覚ハウンド。
鳥猟犬の登場
グループ7と8は、ガンドッグが集まるカテゴリーです。ガンドッグというのは、銃(ガン)での猟があってこそ「開発」された犬種であり、銃が発明される前に活躍したハウンドとは同じ猟犬でも機能が異なります。グループ7の犬たちはその中でも、獲物を探し出す方に威力を発揮します。セターとポインターが有名でしょう。一方グループ8の犬は、獲物を回収することに長けています。
イギリス系であるポインターとセターは猟のおける働きや機能は同じですが、起源はやや異にしています。セターのような長いコートを持つガンドッグは、スパニエルから由来しているともいわれています。最初は、セターとはいわず、セッティング・スパニエルと呼ばれていました。スパニエルの機能は藪に隠れている鳥を飛び立たせることですが(猟師は飛び立ったところを撃つ)、セターは鳥を見つけると体を低くしてそこで止まったままの姿勢でいるか、あるいはその場に座ります。
ポインターのようなショートコートタイプのガンドッグは南ヨーロッパが起源と考えられています。彼らは嗅覚ハウンド系から派生したようです。地面のにおいを丹念にかぎ、そしてその足跡を追い獲物を見つけるのが従来の嗅覚ハウンド犬の仕事なら、地面よりもむしろ空気中のにおいを取り、そしてハンターに獲物の居場所を教える、あるいはそのお膳立てをするのがこの新しい猟犬の得意技です。
HPR犬種
中世以降に開発された、ガンドッグ業に専念するイギリスのセターやポインターと対照的に、歴史の古い大陸系のガンドッグの仕事技には、ハウンドの起源がまだなんとなく残されています。ハンガリーのビズラ、ドイツのワイマラナーにジャーマン・ショート・ヘアード・ポインターはいわば何でも屋鳥猟犬として知られており、多目的ガンドッグ、あるいはHPRとも呼ばれています(Hunt,Point、Retrieveの頭文字の略)。獲物を探すことも出来れば(=Hunt)、ポインティングもお手の物 回収も出来る(Retrieve)、またもともとハウンド犬だったためでしょう、手負いの獲物をみつけるための血痕追跡も非常に上手です。ということは鼻が地に付きやすく出来ている、鼻が地につきやすいから、短距離追跡用のハウンド犬としても活躍できます。まさに猟犬としてのあらゆる機能が一つに凝縮されているオール・イン・ワン(All-in -One)ドッグなのです。