犬種のグループ分けの秘密

純血犬種のスタンダードを管轄している団体FCI(国際畜犬連盟)は 犬種を10のグループに分けています。各々のグループは使役という面で機能が似ている犬が集まっています。以下はグループ1から10までの機能の名称です。

グループ1:牧羊犬・牧畜犬
グループ2:使役犬
グループ3:テリア
グループ4:ダックスフンド
グループ5:原始的な犬・スピッツ
グループ6:嗅覚ハウンド
グループ7:ポインター・セター
グループ8:レトリーバー・スパニエル・ウォータードッグ
グループ9:愛玩犬
グループ10:視覚ハウンド

犬のグループ分けは実は500年前から行われていました。当時は今でいうはっきりとした「犬種」という概念が確立していたわけではありませんでした。しかし犬たちには使役が与えられていたために、それによってそれぞれ得意な仕事分野がありました。エドワード6世やクイーン・メリー、エリザベス一世のお付きの外科医であったジョン・カイウス(1510 -1573)は犬を初めて体系的に分類した人としても知られています。彼はその著書 Of Englishe Dogge (イギリスの犬たち)で以下のように犬を機能別(使役別)にわけて、説明を試みました。

1.Venatici (狩猟犬:ブラッドハウンド、グレーハウンド、テリア)
2.Aucupatorii (鳥猟犬:ランドスパニエル、セター、ウォータースパニエル)
3.Delicatus (愛玩犬:トイドッグ)
4.Rustici (労働犬:マスティフ、牧羊犬、牛犬)
5.Admonitor (ミックス、庭先の番犬)

ただし世界のケネルクラブが犬種をグループ分けにしているのは、実はドッグショーに由来しています。世界で最初のドッグショーは1859年にイギリスで開催されました。その時エントリーした犬というのが、なんとポインターとセターといったガンドッグのみ。これら猟犬を飼い、そしてブリーディングをしていたのは猟地を持つ富裕層の人々でした。当時、よい猟犬を作るというのは狩猟好きの貴族の大きな趣味でもありました。猟における性能のみならず、その見かけについてもコンテストをしてみたい、という意図でショーは開催されました。

「犬種を飼う」というホビーは、富裕層のみならず産業革命の後に現れた中産階級の人々の間でも人気になりつつありました。特にトイ系の愛玩犬のブリーディングが盛んに行われ、そのうちドッグショーにはガンドッグのみならず、愛玩犬種など他のタイプの犬たちも出陳されるようになりました。農業従事者のところにいた牧羊犬タイプの犬たちも、次第に犬種としてみなされるようになりショーに参加しました。

出陳する犬が増えてくると、何かしらのカテゴリーが必要となります。そこで グループという概念が登場します。狩猟犬のグループはスポーティングドッグと呼ばれました(狩猟はイギリスではスポーツとしてみなされていました)。愛玩犬、牧羊犬などスポーティングドッグではない犬たちは、「ノン・スポーティングドッグ」としてカテゴライズされます。スポーティングドッグの中でも、銃を使って行われる猟で活躍する犬はガンドッグ(ガン=銃)、銃を伴わない猟で活躍する犬はハウンド犬として細分化されました。

現在のイギリスのケネルクラブのグループ分けは、この頃の犬のグループ分けをそのまま踏襲した形で行われています。すなわち

ガンドッグ (ポインター、レトリーバー、スパニエルなど)
ハウンド (ビーグル、ボルゾイなど)
パストラル (牧羊、牧牛犬種)
トイ (チワワやマルチーズ、ヨークシャーテリアなど小型愛玩犬種)
テリア (ジャックラッセルテリアなど)
ワーキングドッグ(バーニーズ・マウンテンドッグ、シベリアン・ハスキーなど)
ユティリティ (その他の犬種)

の7グループに分けられています。

日本のケネルクラブはFCI(国際畜犬連盟)に属していますので、FCIの犬種分けにそっています。FCIはイギリスのケネルクラブの創立(1873年)のほぼ40年後の1911年に、ドイツ、オーストリア、ベルギー、フランス、オランダによって創立され、独自の犬種グループのカテゴリー制度を用いました。それが現在ある10グループというわけです。イギリスのグループ分けと大きく異なる点は、ガンドッグとハウンドが機能によってさらに細分化されているということ。そしてダックスフンドという独自のカテゴリーがある点ですね。これはおそらく原産国ドイツが関わったからではないかと思われています。ダックスフンドは機能的にはテリアでもありハウンドでもあり、と独特な使役スタイルを持つからです。

▼グループ別歴史
グループ1:牧羊犬・牧畜犬
グループ2:使役犬
グループ3:テリア
グループ4:ダックスフンド
グループ5:原始的な犬・スピッツ
グループ6:嗅覚ハウンド
グループ7:ポインター・セター
グループ8:レトリーバー・スパニエル・ウォータードッグ
グループ9:愛玩犬
グループ10:視覚ハウンド

この犬種は愛玩犬種のグループ9に入ったほうがよくない?

純血犬種ではない犬:野犬とは ミックスとクロスについて

 

▼次の項目はこちら
新たなグループ分け体系を作るとしたら

文:藤田りか子

TOPICS

Boston Terrier Festival 2025 Autumn
Boston Terrier Festival 2025 Autumn

2025年秋冬シーズン、【Boston Terrier Festival Autumn 2025- Boston Terrier rooted in United States -】 が始動しました。 2018年から開催をしている本イベント、おかげ様で今回8回目を迎えます。 このフェスティバルはシーズーとそのオーナー様が一日中楽しめる多彩なプログラムで、前回の大成功に続き春と秋の2シーズン開催にパワーアップして開催されます。 前回の開催(2025年春)では1,231人、802頭のボステリちゃん達が集まり大盛況でした。 今回もフリーステッチ恒例コンテンツのチャリティ撮影会に加え、50mスプリント&ハードル、30mレース、犬まみれ撮影、家族でダッシュ撮影、そして豪華景品のあたるチャリティがらぽんなど、皆様に楽しんでいただけるような企画が盛りだくさんです。 また、愛犬が思い切り走り回れて安全に楽しめる広々としたドッグランや、トレーナーさんや講師による充実した体験型レッスンも用意しています。これらのレッスンでは、ワンちゃんとの生活の中でのヒントやトレーニングに関する貴重な知識を学び、オーナー様と愛犬の絆をさらに深めることができます。 さらに、このイベントはショッピングエリアや各コンテンツでの売上の一部はチャリティ活動にあてさせていただきます。 皆様のご参加が、社会貢献にも繋がる特別な機会となります。 愛犬と共に素晴らしい一日をお過ごしいただけるイベント、開催当日を楽しみにお待ちください! 皆様のご参加を心よりお待ちしております。 ▼NEWS ----------------------- ご予約周り ・参加予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ先行予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ一般予約開始:未定(随時更新いたします) -----------------------

Shih Tzu Festival 2025 Autumn
Shih Tzu Festival 2025 Autumn

2025年秋冬シーズン、【Shih Tzu Festival 2025- Shih Tzu rooted in China -】 が始動しました。 2020年から開催をしている本イベント、おかげ様で今回7回目を迎えます。 このフェスティバルはシーズーとそのオーナー様が一日中楽しめる多彩なプログラムで、前回の大成功に続き春と秋の2シーズン開催にパワーアップして開催されます。 昨年は(2024年秋)は1672名の参加者と975頭、 続く春の開催(2025年春)では1,165人、745頭のシーズーが集まり、大盛況でした。 今回もフリーステッチ恒例コンテンツのチャリティ撮影会に加え、50mスプリント&ハードル、30mレース、犬まみれ撮影、家族でダッシュ撮影、そして豪華景品のあたるチャリティがらぽんなど、皆様に楽しんでいただけるような企画が盛りだくさんです。 また、愛犬が思い切り走り回れて安全に楽しめる広々としたドッグランや、トレーナーさんや講師による充実した体験型レッスンも用意しています。これらのレッスンでは、ワンちゃんとの生活の中でのヒントやトレーニングに関する貴重な知識を学び、オーナー様と愛犬の絆をさらに深めることができます。 さらに、このイベントはショッピングエリアや各コンテンツでの売上の一部はチャリティ活動にあてさせていただきます。 皆様のご参加が、社会貢献にも繋がる特別な機会となります。 愛犬と共に素晴らしい一日をお過ごしいただけるイベント、開催当日を楽しみにお待ちください! 皆様のご参加を心よりお待ちしております。 ▼NEWS ----------------------- ご予約周り ・参加予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ先行予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ一般予約開始:未定(随時更新いたします) -----------------------

Corgi Festival 2025 Autumn
Corgi Festival 2025 Autumn

2025年秋冬シーズン、【Corgi Festival 2025 Autumn- Corgi rooted in Great Britain -】 が始動しました。 2018年から開催をしている本イベント、おかげ様で今回で9回目を迎えます。 このフェスティバルは、コーギーとそのオーナー様が一日中楽しめる多彩なプログラムで、前回の大成功に続き、春と秋の開催にパワーアップして開催されます。 昨年は(2024年秋)は2,417名の参加者と1200頭、 続く春の開催(2025年春)では1,328人、753頭のコーギーが集まり大盛況でした。 今回もフリーステッチ恒例コンテンツのチャリティ撮影会に加え、50mスプリント&ハードル、30mレース、犬まみれ撮影、家族でダッシュ撮影、そして豪華景品のあたるチャリティがらぽんなど、皆様に楽しんでいただけるような企画が盛りだくさんです。 また、愛犬が思い切り走り回れて安全に楽しめる広々としたドッグランや、トレーナーさんや講師による充実した体験型レッスンも用意しています。これらのレッスンでは、ワンちゃんとの生活の中でのヒントやトレーニングに関する貴重な知識を学び、オーナー様と愛犬の絆をさらに深めることができます。 さらに、このイベントはショッピングエリアや各コンテンツでの売上の一部はチャリティ活動にあてさせていただきます。 皆様のご参加が、社会貢献にも繋がる特別な機会となります。 愛犬と共に素晴らしい一日をお過ごしいただけるイベント、開催当日を楽しみにお待ちください! 皆様のご参加を心よりお待ちしております。 ▼NEWS ----------------------- ご予約周り ・参加予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ先行予約期間:未定(随時更新いたします) ・コンテンツ一般予約開始:未定(随時更新いたします) -----------------------

フィールドコンテンツ紹介(French Bulldog)
フィールドコンテンツ紹介(French Bulldog)

フリーステッチでは【meet up】イベントを通してドッグトレーナーや各種講師とレッスンに触れていただくため4種類のセミナーやレッスンをご用意しております。 1.お悩み行動:吠える、ひっぱる等、改善していきたいこと 2.コマンドトレーニング:まって、おいで等の練習や応用 3.知っておきたい事:お散歩、マッサージ、犬の気持ち体験 4.ステップアップ:アジリティ、ノーズワーク、ダンス 等 各項目は入門編にあたる簡単な内容となっておりますので、レッスンが初めての方もお気軽にご参加ください。 本イベントを通して新しい出会い・発見をしていただけると幸いです。

フィールドコンテンツ紹介(Pinscher)
フィールドコンテンツ紹介(Pinscher)

フリーステッチでは【meet up】イベントを通してドッグトレーナーや各種講師とレッスンに触れていただくため4種類のセミナーやレッスンをご用意しております。 1.お悩み行動:吠える、ひっぱる等、改善していきたいこと 2.コマンドトレーニング:まって、おいで等の練習や応用 3.知っておきたい事:お散歩、マッサージ、犬の気持ち体験 4.ステップアップ:アジリティ、ノーズワーク、ダンス 等 各項目は入門編にあたる簡単な内容となっておりますので、レッスンが初めての方もお気軽にご参加ください。 本イベントを通して新しい出会い・発見をしていただけると幸いです。

シニア期に向けてこれからできること&今やっておきたいこと(Boston Terrier)
シニア期に向けてこれからできること&今やっておきたいこと(Boston Terrier)

イベント当日の【10:30~】メインステージにて行う参加無料のセミナーです。 他のコンテンツが重なっていない方はぜひステージ前にてお聞きください。

/