前回紹介した新しいグループ分けにおける、それぞれのグループについてその特徴を紹介します。今回は「一筋縄ではいかないでもドッグスポーツ最適」編です。
前回紹介した新しいグループ分けにおける、それぞれのグループについてその特徴を紹介します。今回は「一筋縄ではいかないでもドッグスポーツ最適」編です。
運動も必要だけど頭脳刺激も必要な犬種が集まっています。ドッグスポーツ訓練能力も問われますので、経験者向き。中には番犬本能が強く、それゆえに何事にも動じない「でんとした飼い主」を必要とした犬種もいます。しつけの失敗は許されません。きちんとした知識を持って、そして必ず真面目にブリーディングをしているブリーダーから譲ってもらうことをおすすめします。
1.ファイトの精神たっぷり、防衛気質も十分のマッチョタイプ
欧米の大都市では大人気のタイプの犬達です。自分の強さを犬でアピールしたいのか、若い男性に飼い主が多いものです。アメリカン・スタフォードシャー・テリアといったブル系の犬種は確かに闘犬として活躍していた時代もありました。が、現在は闘争欲が抑えられた愛すべき家庭犬となっています。しかし見かけは相変わらず「凄み」があるので、力のシンボルとして飼いたがる人は多いのです。かつて闘犬種であった犬を飼う場合、犬種の性質を予めよく理解しておく必要があります。たとえ現在は家庭犬として適応していても、彼らの気質にはまだ「気の強さ」「頑固さ」は残されています。これに対処できずしつけに失敗すれば、それは飼い主の責任です。
アメリカン・スタフォードシャー・テリア、ブルテリア、秋田犬、ローデシアン・リッジバック、ボクサー、ロットワイラー
2.古典的ワーキングドッグ
このカテゴリーには、職業犬(警察犬、軍用犬、救助犬等)のイメージが強い犬種が集まっています。これら犬種は専門用語でワーキング・ドッグ種と呼ばれています。が、もちろん家庭犬としても適しています。というよりも、その素晴らしい協調性故に、家庭犬としても完璧な犬種です。その証拠にジャーマン・シェパードは、欧米における人気犬種トップ10の上位に毎年ランクされています。
しかしいずれの犬種も作業をするために作られた犬達です。散歩の他に、必ず何かアクティビティ(オビディエンス、トラッキング、防衛作業)をさせる必要があります。もっとゆっくりとしたテンポで愛犬を楽しみたいという家庭には、あまり適した犬種ではないでしょう。
「オスワリ」「フセ」といった号令をワーキング・ドッグ種に教えるのは何の苦もありません。むしろこのタイプの犬種ばかりを訓練をしていると、他の犬種に何かを教えるのは難しく感じられるはずです。にもかかわらずワーキング・ドッグ種はなぜより経験者向きなのか?
ジャーマン・シェパードに代表されるように、ワーキング系犬種は学習意欲の旺盛さ、そして防衛心の強さを見込まれて、警察犬として採用されることの多い犬達でもあります。れだけに気質にはシャープなところがあり、はっきりとしたケジメを見せれる飼い主が必要です。これは怒り散らす「怖い飼い主」という意味ではありません。犬が「この人なら!」と信頼を寄せてくれる人、グレーゾーンという曖昧さはなく白か黒かはっきりと示すことができる人、そして一緒にいて楽しいと思える人(作業をさせてくれる人)、そう、犬にとってカリスマ的存在になり得る人が飼い主として適しているのです。
ジャーマン・シェパード・ドッグ、ベルジアン・シェパード(タービュレーン、グローネンダール、マリノア、ラケノア)、ホワイト・シェパード、ボクサー、ドーベルマン、ボーセロン、ホフヴァルト、ブリアード、ロット・ワイラー、ジャイアント・シュナウザーなど
3.超アクティブ・スポーツ犬
犬の世界にも「仕事中毒」というあだ名を持つ動物がいます。それがこのカテゴリーの犬種です。それだけにその内在するエンジンも大きく、運動性能、訓練性能は超一級。ドッグスポーツ・フリークなあなた、あるいは競技会で何が何でも勝ちたいというあなたを必ず満足させてくれる犬達です。とはいってもこの系統の犬種を飼ったならば必ず競技会に出なければいけない、ということではありません。家庭でスポーツや作業を与えられる心準備のある人なら、一緒に楽しく暮らせます。
ひとつ覚えておきたいのは、「運動」と「スポーツ/作業」は別のもの、ということ。運動とは散歩などで得れる身体的なエクササイズ。スポーツ/作業とは(犬にとって)頭脳やメンタル面を刺激するエクササイズ。このカテゴリーの犬達はそのどちらをも要求をしてきます。
ボーダー・コリー、ケルピー、オーストラリアン・シェパード、ノバスコシア・ダック・トリング・レトリーバー、オーストラリアン・キャトルドッグ、ワイマラナー、ジャーマン・ポインターなど