アメリカン・ケネルクラブによる2020年と1998年の人気犬種トップ10(新規登録数統計トップ10)を以下にしめします。同じ年における日本のトップ10(ジャパンケネルクラブ新規登録統計より)も比較としてごらんください。
▼アメリカ2020年順位
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:フレンチ・ブルドッグ
3位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
4位:ゴールデン・レトリーバー
5位:ブルドッグ
6位:プードル
7位:ビーグル
8位:ロットワイラー
9位:ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
10位:ダックスフンド
▼日本2020年順位
1位:プードル
2位:チワワ
3位:ダックスフンド
4位:ポメラニアン
5位:フレンチ・ブルドッグ
6位:ミニチュア・シュナウザー
7位:ヨークシャー・テリア
8位:柴
9位:シー・ズー
10位:マルチーズ
▼アメリカ1998年順位
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:ゴールデン・レトリーバー
3位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
4位:ロットワイラー
5位:ダックスフンド
6位:ビーグル
7位:プードル
8位:チワワ
9位:ヨークシャー・テリア
10位:ポメラニアン
▼日本1998年順位
1位:ダックスフンド(ミニチュア)
2位:シー・ズー
3位:ゴールデン・レトリーバー
4位:ラブラドール・レトリーバー
5位:ヨークシャー・テリア
6位:チワワ
7位:ポメラニアン
8位:マルチーズ
9位:ウェルッシュ・コーギー・ペンブローク
10位:ビーグル
アメリカの家庭犬といえば、私はラブラドールレトリーバーをすぐに思い起こします。大きな庭でBBQをしながら家族といっしょに楽しく過ごしている明るい犬。冬の日は暖炉の側で寝転んでいる犬。それもそのはずアメリカでは過去30年間、ラブラドール・レトリーバーがアメリカンケネルクラブの登録統計では一位を保ってきました。これもなかなかの記録ですよね?!それぐらい本犬種はアメリカの文化にしっかり根付いた定番家庭犬ともいえるでしょう。
そしてジャーマンシェパード・ドッグもつねに上位に位置しています。ジャーマン・シェパード・ドッグは警察の犬でもありますが、日本を除く先進国では、ほとんどは家庭犬の定番犬種なのです。
ロットワイラーもアメリカでは常に人気犬種としてトップ10に入っています。この犬種はヨーロッパでも人気がありますが、日本では知る人はあまりいないかもしれません。ドイツで作業犬として作られた犬種、飼い主に忠実で防衛心も強く、ボディガード代わりに飼う人もアメリカでは多いと聞きます。いかにも強面な風貌であり、「かわいい」好きの日本人のハートをあまりくすぐらないのかも?
23年前(1998年)の統計と比べると、アメリカのトップ10はそれほど変わりがないのですがいくつか変化がみて取れます。それはフレンチブルドッグのランクインでしょう。1998年では76位でした。フレンチブルドッグのブームは今や世界的な現象です。
2020年にはジャーマン・ショートヘアード・ポインターもベスト10に入っていますが、この犬種は割合以前からアメリカで親しまれており、だいたい20位〜30位に順位づけられていました。ただしイタリアとは異なり、アメリカではこの犬種はほとんどが家庭犬として飼われています。ショードッグとしてもとても人気です。
日本は常にアメリカのドッグトレンドの影響を受けてきました。日本とアメリカの98年のトップ10をみると、半数以上もの犬種がオーバーラップしています。しかし2020年では3種しか共通の犬はいません。これは日本の犬種トレンドについて記した記事でも述べたように、これまでは他の国のコピーをしてきたものの、日本人はここにきてより日本の環境にあった犬種を見つけ出した、それが定番化している過程が今起きているからではないかと思います。確かにアメリカと日本では、住居環境はかなり違いますよね。
さて、アメリカのトップ10を見ながらもう一つ気がついたこと。なんと、自国の原産犬種が一種もいないのですね。これはドイツやイギリスの状況とは大違い!移民の国、新大陸だからこそ?!