オーストラリア・ケネルクラブによる2020年と1999年の新規登録犬種頭数統計を以下に示します。
▼2020年オーストラリアケネルクラブ新規登録頭数トップ10
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:スタフォードシャー・ブル・テリア
3位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
4位:ゴールデン・レトリーバー
5位:フレンチ・ブルドッグ
6位:ボーダー・コリー
7位:ロットワイラー
8位:オーストラリアン・シェパード
9位:ミニチュア・シュナウザー
10位:E. コッカースパニエル
▼1999年オーストラリアケネルクラブ新規登録頭数トップ10
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
3位:ゴールデン・レトリーバー
4位:スタフォードシャー・ブル・テリア
5位:キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
6位:ボクサー
7位:ロットワイラー
8位:ボーダー・コリー
9位:ジャック・ラッセル・テリア
10位:E. コッカースパニエル
オーストラリアのドッグトレンドはヨーロッパのそれとほぼ同じと言えるでしょう。過去の統計と比較しても、トップ10入りする犬がほぼ変わらない点も似ています。第一位はやはりラブラドール・レトリーバーですね。アメリカ、イギリス、スウェーデンなどいずれもラブが一位を誇っており、世界でもっとも人気のある家庭犬種とです。小型犬が多数派の日本ではあまり実感がわきませんけどね!オーストラリアのトップ10に入る犬はほぼ大型犬に占められており、やはりその中でも飼いやすい犬となればラブの右にでる犬はいないとも言えます。
1999年と2020年の統計で共通している犬種は、ラブラドール・レトリーバーの他に、スタフォードシャー・ブル・テリア、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ゴールデン・レトリーバー、ボーダー・コリー、ロットワイラー、そしてE・コッカースパニエル。7種も同じということは、オーストラリアにはそれほど人気犬種の流行がなく人々の好みは割合一定しているのかもしれません。これは健全な犬飼いの証拠と筆者は捉えます。
ただしオーストラリアにもフレンチブルドッグの人気の波がきているのがわかります。1999年にはトップ10には決してでてこなかった犬種です。そしてオーストラリアン・シェパードが2020年にトップ10入りしている点も見逃せません。今、オーストラリアン・シェパードはオーストラリアのみならず多くの欧米諸国で人気上昇中の注目の犬種です。フランスでは3年連続の一番人気の犬種です。
さてオーストラリアだからオーストラリアン・シェパードが人気となったのでしょうか?オーストラリアン・シェパードの原産国は実はオーストラリアではなくアメリカの西海岸地域です。なぜアメリカの牧羊犬がオーストラリアン・シェパードと呼ばれるのか諸説があります。オーストラリアによくいる犬、とかオーストラリアから入ってきた羊といっしょによくいる犬、という当時(1800年代)の羊をオーストラリアからたくさん輸入したアメリカ人の牧羊犬に対する見方がそのまま反映されているとも言われています。
牧羊犬といえば、オーストラリアではワーキング・ケルピーが実はもっともポピュラーな犬種です。多くは羊を集める作業をしています。作業犬としてはボーダーコリーを凌ぐ人気です。トップ10に入ってこないのは、オーストラリアのケネルクラブに登録されず、ワーキングケルピー協会が人口と血統の管理をおこなっているからでしょう。ケルピーはオーストラリア生まれの原産犬種です。オーストラリアには他にも原産犬種がいくつか存在しますが、オーストラリアン・キャトル・ドッグなど牧場で働く犬種が多いのが特徴です。
オーストラリア原産犬種で一番日本人にとって身近な犬はオーストラリアン・ラブラドゥードルではないでしょうか。オーストラリアのウェブマガジン「Australia Dog Lover」によると、犬種ミックスを含めた人気ランキングで10位にラブラドゥードルが入っています。なぜ、オーストラリアンケネルクラブの統計には入っていないのかというと、ケネルクラブで公認を受けた犬種ではないからです。ちなみにこのランキングでは一位がキャブードル(キャバリア・キングチャールズ・スパニエルとプードルのミックス)。ケネルクラブの統計で1位のラブラドール・レトリーバーはここでは3位です。
詳しく見たい方はこちらのウェブサイトをご覧くださいね。