ドイツの人気ベスト10犬種ランキングを見て、何か気がついたことはありませんか?
FCIグループの小型愛玩犬種の集まりであるグループ9の犬種が一種もおらず、大型犬種が占めているというが特徴の一つです。しかし私が最初に気がついたのは、ベスト10中6種の犬がすべてドイツ産の犬種であるということなんですね。そう!イギリスに並んでドイツほど自国の原産犬種に愛を感じている国はないかもしれません。身贔屓なドイツ人というところでしょうか?
ジャーマン・シェパード・ドッグ、ダックスフンド、ジャーマンワイヤーヘアード・ポインター、ボクサー、ロットワイラー、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター、これらいずれもドイツで作られた犬種です。
しかしドイツも時とともに家庭犬種の多様化が進んできているのかもしれません。今からおよそ20年前、1999年の統計をみてみると(下参照)、ジャーマン・シェパード・ドッグとダックスフンドが新規登録数のおよそ35%をも占めているのですね(全体登録数は97860頭)。ベスト10に入っている犬種の各頭数を見ても明らかです。1位のドイツ人の誇りの犬種、ジャーマン・シェパードドッグと2位のダックスフンドが圧倒的な人気。3位のジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインターの頭数と大きな差をつけています。ところが2019年になると1位2位の犬種ランキングは変わらないものの3位との差は随分縮まっています。そして上位2犬種の割合は全体のおよそ19%になりました。ヨーロッパ諸国の全体の傾向として、ジャーマンシェパードの人気は戦後ゆるぎないものだったのですが、この頃では絶対に家庭犬ならシェパードという固定観念が崩れてきているのかもしれません。スウェーデンでもしばらくジャーマンシェパードが一位を占めていましたが2000年の初期ではラブラドール・レトリーバーに一位の地位を譲ることになりました。
ちなみにジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインターは、日本では見たことがない人が多いのではないかと思います。ジャーマンポインターには、ショートヘアーと、ワイヤーヘアー、ロングヘアー、そしてワイヤーヘアとロングヘアーの中間のタイプも存在しています。日本ではショートヘアーがよく知られています。いずれも、別犬種としての歴史をもっており、単なるコートタイプの違いではありません。そして、ヨーロッパではジャーマン・ポインターは主に狩猟犬として活躍しています。
▼ドイツ2019年順位
1位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
2位:ダックスフンド
3位:ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインター
4位:ラブラドール・レトリーバー
5位:ゴールデン・レトリーバー
6位:プードル
7位:ボクサー
8位:ロットワイラー
9位:ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
10位:ボーダー・コリー
▼ドイツ1999年順位
1位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
2位:ダックスフンド
3位:ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインター
4位:プードル
5位:ロットワイラー
6位:ボクサー
7位:ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
8位:E・コッカー・スパニエル
9位:ゴールデン・レトリーバー
10位:グレートデーン