アメリカと同様に海を隔てたお隣の国、カナダ。日本の犬事情はアメリカから多くの影響を受けるものですが、アメリカの隣国でもあるカナダの犬文化を知る人はあまりいないのでは?
アメリカとは陸続きなので、犬文化もさぞかし似通っていて人気犬種もほぼ同じだろうと思いきや、意外にも異なっているのがわかります。以下がカナダケネルクラブの2020年新規登録統計と同年のアメリカケネルクラブからのデータです。アメリカではとても人気でどこでもみられる犬種、ビーグルやダックスフンドがカナダのトップ10には入ってきていません。
ところでカナダの1位から4位は相当長い間毎年同じある、ととあるカナダの愛犬家から聞いたことがあります。手元にある資料では一番古いもので2013年の統計なのですが、これを見てみると(↓参照)、確かにこの年も2020年と同じ。トップにラブラドール・レトリーバー、2位にゴールデン・レトリーバー、3位にジャーマン・シェパード・ドッグ、4位にスタンダード・プードル。カナダではこの4種はゆるぎない人気を保っているといえます。ラブラドール・レトリーバーに関しては26年間連続1位!アメリカでも30年間一位を保ってきたということですから、北アメリカにおける絶対的な人気犬種といってもいいでしょう。
これらトップ4犬種はいずれも訓練性能が高く、多様性に優れた犬たちですね。それが家庭犬として飼われやすい理由でしょう。ただし、アメリカの場合、2位にフレンチ・ブルドッグが来ていますが、カナダではアメリカほどこの犬種は人気がないようです。
一つカナダに特徴的なのは、ハバニーズの人気です。2020年に8位に入っている犬種です。ここもアメリカと大きく異なる点ですね(アメリカでは2020年度は24位)。デンマークやスウェーデンなど北欧でも最近人気がでてきている小型犬ですが、カナダでは20年前から注目されていた犬種。2013年も8位ですでにトップ10入りを果たしています。ハバニーズはキューバの出身の犬ですが、マルチーズやビション・フリセー、ボロネーズ、コトンドテュリアールと同じ流れを汲むいわゆる「ビション・ファミリー」と呼ばれている犬種群の一種です。地中海から、1600年代にスペイン人とイタリア人によって、キューバに連れてこられたと考えられています。
ハバニーズについで、バーニーズ・マウンテンドッグも2013年から人気が続いています。超大型犬としては、世界でもっとも人気がある犬種の一つではありますが、トップ10に入るというのは先進国の中でも極めて珍しいケースでしょう。
ちなみに他の先進国の例にもれず、2020年はコロナによるロックダウンの影響なのか、カナダでもケネルクラブへの新規登録がその前年の50%増しになったということです。
▼カナダ2020年順位
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:ゴールデン・レトリーバー
3位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
4位:プードル
5位:フレンチ・ブルドッグ
6位:シェットランド・シープドッグ
7位:オーストラリアン・シェパード
8位:ハバニーズ
9位:バーニーズ・マウンテン・ドッグ
10位:キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
▼カナダ2013年順位
1位:ラブラドール・レトリーバー
2位:ゴールデン・レトリーバー
3位:ジャーマン・シェパード・ドッグ
4位:スタンダード・プードル
5位:シェットランド・シープドッグ
6位:バーニーズ・マウンテン・ドッグ
7位:ヨークシャー・テリア
8位:ハバニーズ
9位:ミニチュア・シュナウザー
10位:ブルドッグ