Dog Specialist Interview #03ドッグトレーナー 長和 ゆかり さん



ペット業界で活躍するスペシャリストに動物系学校のインターン生達がインタビュー!シリーズ 第3弾


"Harmony with Animals Mieli"を運営するドッグトレーナー長和さんへ、ヤマザキ動物看護大学インターン生の桑原さんにインタビューしていただきました。

Q1 自分自身を犬で例えるとなんの犬種でどんな性格だと思いますか?
A1 一緒に暮らしているブリジアンドッグシェパードタービュレンという犬種に似ていると思います。明るく活発な反面ちょっと繊細な所があったり、一途な所が似ているかなと自分では思っています。

Q2 長和さんが考えるテリントンTタッチの魅力とはどのようなところでしょうか?また、長和さんがTタッチを学び、広めていこうと思われたきっかけはあるのでしょうか?
A2 大きな魅力の一つは動物の気持ちを尊重しながら行うというところです。動物にTタッチを行うのではなくて、動物と一緒に行うというところなんですね。いかなる種類の強制も使わないというところで、それから手さえあればいつでもどこでもどんな子にも出来るというのも大きな魅力の一つだと思います。きっかけなんですけど、きっかけは、愛犬のレッティとFCIオビディエンス競技というものを行っていまして、2014年にフィンランドのヘルシンキで行われた世界大会があったんですが、日本代表として選ばれて彼女と参加しました。その時に、世界中のトップレベルのハンドラーや犬たちの生き生きとした作業を見てわぁ、もっと犬のことを深く知りたい、本当に心から仲良くなりたいという風に強く思いました。そしてそこからいろいろなことをもっと勉強しようと思って、様々なことの勉強を始めました。そして、その中で大きな出会いの一つでありきっかけであるのが、Tタッチのレビーポッツ先生という方との出会いでした。小さなワークショップに参加したのですけれども、その犬の心に寄り添う犬の気持ちを尊重するというその教えに大変感銘を受けまして、そしてそのまますぐに認定コースへ通う事決めて、そして、プラクティショナーとなりました。

Q3 長和さんはTタッチに加えて、日常生活のトレーニングやドッグダンスなどの指導も行っていると拝見したのですが、その知識や経験はどのように学ばれたのですか?
A3 はい、これも世界大会から帰ってきてたくさんのことを勉強していました。そして、何かを強いたりするのではない方法で犬たちの何か力になれることを知りたいという思いで勉強をしたのですが、海外の著名なトレーナーのセミナーやワークショップ何でも興味があるものは参加していたんですね。そして、その中でもユタ大学の博士で応用行動分析学のスペシャリストでもあるスーザンフリードマン博士という方が行っているリビングアンドラーニングウィズアニマルズという動物のプロフェッショナルが参加しているコースがあるんですね。例えば、ドッグトレーナーは勿論ですが海洋生物のトレーナーや獣医師さん、それから動物園関係者が参加しているコースがあるんですけれども、そういったコースを受講して試験などもあり無事合格して修了したりもしました。そして、好奇心だけで突き進んでいたのですけれども、そんなときにトレーニングを教えて欲しいですという風にある方に声を掛けていただき良いですよといって始めましたら、口コミでどんどん広がっていき、仕事になりました。で、おかげさまで今はもう遠方からもたくさんの方がいらっしゃってくださっています。ダンスなんですけれども、ダンスは自分の犬との楽しみで踊っていました。そこでのポリシーも犬も一緒に楽しい気持ちというのを大事に踊っていたのですけれども、その私のダンスを見て下さった方がいつも一緒に犬と楽しそうでいいですね、私にもぜひ教えて欲しいですと言われてそれが教え始めたきっかけになりました。

Q4 レッスンの際に怒ったり、「NO」と言わないトレーニングをされている長和さんは犬が望ましくない行動をとった際はどのように対処されるのでしょうか?
A4 NOという言葉を使わないでどうするんですかっていう風によく質問されるんですけども、一言でいうと使う必要がないんですね。実際に私は今まで自分のレッスンの中で一度もNOとかいけないって使ったことが一度も無いんですね。そういう風に言うとあ、じゃあまずいぶんお利口さんなワンちゃんがいらっしゃっているんですねなんて言われることもあるんですが、そんなこともなくてですね、結構いらっしゃっている方の中には深刻なお悩みを抱えている方もいます。例えば、ものすごく外に対する刺激に反応してしまって、外に出ると色んなものに吠えてしまって、散歩することが出来ないとかですね、それからもう人や犬を何度も噛んでいる、また人を噛んでしまったときにも縫うほどのけがを負わせてしまっているとかですね。小型犬から40㎏を超えるような大型犬までそういった犬を見ているんですけれども、どの子もみんないい方向に向かっています。そして、悪化した子っていうのは一人もいないんですね。NOとかダメとかっていうのは言う人間の方にとってはとっても簡単なんですね、しかし、動物たちからするとNOって言われたらじゃあどうしたらいいのもしくはNOっていうのいけないったいうのは分かっているけれどうまくできないんだよっていうことが結構多かったりします。なので、どうしたらいいのかっていうのを教えてあげる方がよっぽどその動物に役に立つ場合が多いんですね。逆に、NOとかいけないっていう事を言うことによって犬との関係が悪化してしまっているっていうケースなどもあります。想像して頂ければわかると思うのですが、いつもNOいけないだめって言ったじゃないっていうことをいつも言われていたら心地いいかな―どうかなーっていう事だと思うんですね。なので、そのシチュエーションでそもそもワンちゃんたちがどういう風にしていたらいいのかっていう事を教えたことがあったのかな、どのようにしてほしいかっていう事私たち人は望む姿をイメージできてるかなっていう事だと思うんですね。NOという前に私たちがサポートできることは本当にたくさんあるっていう風に感じております。そして、Tタッチではこういう風になってほしいというふうに考えます。例えば、吠えないで欲しいではなくって、穏やかでいて欲しい犬と会ったときに吠えないで欲しいではなくて犬と会ったときに穏やかでいて欲しいという風に望ましい姿をイメージすることがとてもパワフルです。そしてその出来たことにフォーカスをして広げていくという事なんですね。なので、○○をしないでっていうのはあまり動物の役には立たないです。例えば、今赤い色を考えないでください、絶対に頭の中で赤色考えないでくださいというと、どうですか。動物たちというのは、人のイメージしたものを察知する能力も非常にかけています。なので、いいイメージを持てばそれを動物たちはより分かりやすくなるんですね。なので、どういう風にしてほしいかという事をイメージするということは思っている以上に大事なことだと思います。そしてもし、望ましくない行動をしてしまったときどうするのかっていう事ですよね。その行動の種類にもよりますが、基本的には望ましい行動ができるようにサポートするという事です。例えば、吠えてしまうのであればその吠えてしまうきっかけになるもの、犬だったり、音だったり、人だったりするのかもしれません。まず、そういったものから離れる、距離を取る。そもそも、吠えるという行動をしないという風に環境をアレンジしてサポートするということがまず一つできることだと思います。そして、また、それとは別にTタッチやこのトレーニングではこういう風にしていたらいいよ、こんな風にふるまってたらいいよということを予め教えて置くことができるんですね。なので、実際そういうシチュエーションになった時にも、こういう時はこういう風にしてればいいんだこういう風になった時は吠えたりするのではなく自分はこんな風に落ち着いていればいいんだということを事前に教えることが出来るんですね。なので、そうすることが大事だと思います。そして、またトレーニング。例えばお座り、マテのトレーニングなんかよくされている方もいると思います。そんな時に動いてしまったそんな経験あると思うんですよね、そして、こんな時にもだめとかNOっていう必要ってないんですね。動いてしまったときにはそのことに対しては何も言いません。そしてこの私たちがすることというのはなぜ動いてしまったかな、どうしたらこの行動が上手くできるかなと考えるんですね。まず、どうしてできなかったかということを考えると、一つ目はもしかしたらお座りして待つということをきちんと理解してなかったかもしれない、なんとなくこの辺居座ってればいいんだよねだったぐらいかもしれないですよね。理解が浅かったかもしれないという事です。そして、二つ目はお家ではできるんだけども、ちょっと外だと色んな音もするし、ドキドキするから何となく落ち着かなくて動いちゃったっていうことかもしれません。また、もしくは、少しあまり調子が良くなくって動いてしまった。っていう事かもしれないですよね。なので、もし理解できてないのであれば少し手前に戻ってもう一度、お座りってこうだよね、待つってこうだよねっということを丁寧に教えてあげます。これは、エラーレストレーニングといって、なるべく失敗をさせないでできたねってことを積み重ねて自信を持たせていくことが出来るんですね。なので、だんだんその子たちは待てと言われてもマテできるよほら、こうだよねという風に自信をもってすることが出来るんです。なので、この大きな違い。もしも待てと言われて動いてしまってダメ、NOって教えられた子たちが待っているときというのは動いたら怒られちゃうから、動かないように頑張ろうドキドキッて待っているかもしれませんよね。逆に、今のエラーレストレーニングで教えてあげた子たちは自信を持って待てってこうだよね、分かってるよ、うん全然大丈夫って待っているのと形は同じでも全然そのやっている行動の時の犬たち気持ちが違うんですね。なので、この同じ行動でもこんなに犬たちの気持ちが違うっていう事なんです。なので、この形をただ教えるのではなくて、犬たちがどういう気持ちでその行動をしているのかということをトレーニングでは大切にして行きたいという風に思っております。

Q5 長和さんはどのような子にテリントンTタッチを行って欲しいと思いますか?また、テリントンTタッチに興味を持った方はどのように始めればよいのでしょうか?
A5 Tタッチは、パピーからシニアまでどんな種類の子にも役立つことが出来ますのですべてのワンちゃんにおすすめです。そして、これは問題を解決するだけではなくて犬たちがこの人間社会の中でどうやったらより穏やかに生きていくか、暮らしていけるかということを伝えるすべでもあるんですね。なので、ぜひもう皆さんにやっていただきたいと思っています。そして、ご興味を持っていただける方はTタッチジャパンドットコムという風に検索をして頂けますとお近くにプラクティショナーを探していただくこともできますし、私も川口湖周辺で対面セッション、ワークショップ、オンラインセミナーで全国にお住まいの方にも対応しておりますのでご興味がありましたら、
ぜひ、ご参加してみてください。

長和 ゆかりドッグトレーナープロフィール

Interviewee: Dog trainer Yukari Nagawa
Interviewer: Intern student Ami Kataoka (ヤマザキ動物看護大学)

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