皆さんは、愛犬の犬種の歴史を知っておりますでしょうか。今回はビーグルの歴史をご紹介します。愛犬がどのような歴史をたどってきたのか覗いてみましょう。
愛玩犬としての転職
愛玩犬種は数いるけれど、その中でビーグルというのは、かなり特別な位置に存在します。なんといっても、「元猟犬」。正確には「嗅覚ハウンド」犬種。トイプードル、チワワやシーズー等は歴史を通して「愛玩犬」という職業に徹していたものの、ビーグルには過去愛玩犬として働いてきた歴史はありません。ということは、現代の ビーグルにとって、 都市生活とは、いわば転職を余儀なくされた結果でもあります。しかし、その割には、うまくいった好例でもありますね。それは世界でビーグルが家庭犬として愛されている様子をみれば、明らかです。
ハウンド気質
ビーグルは嗅覚ハウンドと述べましたが、その気質も典型的なハウンドです。友好的で社交的。人間に対してのみならず、他の犬にも対してです。これは、ハウンド犬種の持つ、とても素晴らしい利点でもあるでしょう。その反対が、番犬的性格を持った犬です。歴史的に牧畜や農場を守ってきた犬は、自分のテリトリー意識が強く、ソトとウチの区別をはっきりつけています。だから必ずしも、どの人、どの犬と簡単に仲良くなれるとは限りません。社会化訓練が十分なされていなければ、散歩中他の犬に会うたびに「ガウガウ」やりはじめるという リスクもあります。その点ビーグルにはそのような問題は起こりにくいのですね。
ハウンド犬種の多くは、パック(群れ)で狩猟をしていました。そして犬舎に帰っても、パックで同じ囲いの中に住んでいます。彼らは、とても群れへの帰属意識が強い犬たちです。なので、相手に対して、人間にも含めて、とても寛容な性格を持っています。寛容が故に、精神的にもバランスが取れていて、落ち着いています。しかし、逆に、独りぼっちにされる、というのは非常に苦手な犬たちといえるでしょう。
頑固さの根源
ビーグルの明るさとはハウンド犬という歴史に基づく、ということですが、この犬種を考える上で最大の矛盾は、「頑固さ」です。特に犬を飼った経験のない人にとっては、この部分がなかなか理解できないかもしれません。人懐こい犬がどうして、頑固になりうるのか?これは、一度ハウンドの仕事を見れば、理解できるでしょう。彼らは、森やフィールドに放され、その後獲物となる動物の足跡を探して追っていきます。その際は、地面にぴったりと鼻をつけて、忠実に足跡のにおいそのものを追う必要があります。少しでも空気臭に頼ろうとして鼻を外すと、ウサギのような獲物であればあちこち走る方向を変えて走るために、すぐにわからなくなってしまいます。ここにハウンド犬たちの頑固さ、執拗さが活きてきます。
トレーニングが苦手?
ビーグルは他の犬種となんら変わることなく、様々なトレーニングに応えることができます。なんといっても、性格がもともと明るいし、決して急にキレて攻撃行動を起こすことなどもありません。
ただし学習を入れる際に、彼らの強い狩猟欲(においを追いたい欲)を十分に理解してあげることですね。たとえば、呼び戻しを学習させる場合。普通の犬をトレーニングする時よりも、彼らの狩猟欲をよく考慮すること。においをみつけたが最後、それを「執拗」に辿り始め、もはや人の声など、耳には聞こえなくなるでしょう。怒ってもいうことを聞かないのは、学習力がないからではありません。頑固だから!したがってビーグルのトレーニングは、クリッカーなどを使うポジティブ・トレーニングが一番ぴったりです。