純血犬種ではない犬 その1 野犬とは

雑種犬とかミックスといいますが、何をもってこれら言葉を定義したらいいのでしょう?犬全体から純血犬種を除いた全ての犬、がそのカテゴリーと筆者は考えています。純血犬種を除いた犬全てとなると、「野犬」も含まれるでしょう。そして野犬は雑種犬とかミックスの一部でもあります。そこで今回は野犬についての考察を。

野犬の定義
家庭犬として人気のある純血犬種には「飼いやすさ」を元にした「選択繁殖」の歴史が背後に控えています。一方その歴史が野犬と呼ばれる犬たちには欠けています。あるいは最初は選択を受けていたのかもしれませんが、交雑していくうちに原始の犬が元々持っていた野性っぽさに戻されていきます。そのような犬というのは、新しい環境への適応力も乏しく、人との接触にストレスを感じやすいものです。要は人との共存を苦手とする、いわゆる「ビビリ」という犬なのですね。そんな犬をいかに幸せにしてあげられるか。これは飼い主の犬の知識、犬に対する読解力がキーとなります。犬を飼った経験がない人に野犬をすすめられないのはそんな理由があります。

さて野犬の定義を以下のようにしておきましょう。一般的には「飼い主のいない犬」と考えられていますが、狭義には以下のように「ノイヌ」と「野良犬」の二つのタイプに分けられます。
1.ノイヌ:人を恐れて完全に野生動物として暮らす犬。英語でいうところのフェーラル・ドッグ(Feral Dog)
2.野良犬:人に捨てられたあるいはもともと野犬として生まれているが村落にうろついている犬。人に懐く場合もあるし、ある程度距離をとって人の周りをうろつくこともあります。

野犬は「人社会に対する適応力」という面で普通の家庭犬とは異なる動物と考えた方がいいでしょう。そう、犬という動物だからといって十把一絡げに同じ性質を有する生き物と考えてはいけないのですね。これは野犬をネガティブに捉えているわけではなりません。むしろ家庭犬とは異なる動物としての違いを尊重し認めてあげることが大事だと思っています。

特に生まれてからずっと野犬である犬にとって「自由」を謳歌するというのは、良きにつけ悪しきにつけ彼らの生き方としてデフォルトとなっています。野犬は野生の状態においては「食べ物をあさるという行為」も見せるかもしれません。その食べ物は残飯であったり人にもらえるパンであったり。ライフスタイルは時に人から哀れを誘うかもしれませんが、実はアフリカの草原でガゼルを狩る誇り高きライオンの行動と同じ、犬にとっては自然な採食行為でもあります。もっとも純家庭犬にもその探索行動がまだ残されているんですね。だからこそ嗅覚をフルに活かして災害救助で活躍する作業犬、ノーズワークの競技会を楽しむ犬が存在します。

日本の保護施設で見た野犬たち
日本の地方の保護施設を訪れると、日本独自の野犬に会うことができます。私のように世界の犬に興味がある者にとって、日本の野犬のルックスにおける一定のパターンはとても興味深いものです。ほとんどが茶色系、クリーム系の立ち耳犬に溢れているのですね。中には紀州犬のような犬もいて、尾も立派な差し尾だったりします。そう、多くが純血の日本犬に近い見かけです。
地犬という観点から見たら非常に興味深い日本に生息する野犬。しかし実際に飼ってからのトレーニングは決して一筋縄ではいきません。生後3週目から12週目の大事な社会化期に人の存在や手に慣らされるという経験を経てないからです。12週齢をすぎると、環境にある新しいものに対して「怖いもの」「警戒すべきもの」と犬は知覚します。これは野生で生きていくためのサバイバル術でもあります。保護施設で野犬を引き取ろうと思う人はこれら野犬の「動物としてのあり方」を理解してからおつきあいすることをおすすめします。

純血犬種ではない犬
その1 野犬とは
その2 ミックスとクロスについて
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文:藤田りか子

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