皆さんは、愛犬の犬種の歴史を知っておりますでしょうか。今回はウェストハイランドホワイトテリアの歴史をご紹介します。愛犬がどのような歴史をたどってきたのか覗いてみましょう。
その歴史
ウェストハイランドホワイトテリアはイギリスのスコットランド原産の犬種です。スコットランドからは本犬種ならずいくつかのテリアが今も犬種として残されています。その中でもスコティッシュ・テリアが有名ですね。
古い文献を見てみると、たくさんのスコティッシュ・テリアと呼ばれる犬が存在していたようで、必ずしも現在のスコティッシュ・テリアと一致する犬ではありませんでした。というのも、スコットランドにいるテリアをタイプに関わらず人々はみな「スコティッシュ・テリア」とか「ハイランド・テリア」と十把一絡げに呼んでいたこともあったからです。これは単にイングランドのテリアと区別するためでもあったようです。
ちなみにイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのカントリーで成り立つ国(連合王国)で、それぞれのカントリーにそれぞれのタイプのテリアがいたのですね。そして「ハイランド」というのは、スコットランドの北部から西部を占める「ハイランド地方」のことです。ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア(以下ウェスティ)は、名前の通り、スコットランド西部ハイランドの出身の犬。白いテリアというのはスコットランドではそれほど尊ばれなかったのですが、白い犬の方が狩猟のとき目立つので獲物と間違えて撃つことがないという長所に気が付いたポルタロック(西部ハイランドにある都市)のマルコム氏が特別に繁殖を初めたのが犬種の始まりとなります。
ウェスティのパーソナリティ
明るくてとても朗らかな性格です。まさに家庭犬向きの犬ですね。典型的なテリア気質の持ち主ではありませんが、しかしやはりテリアはテリアです。ジャックラッセルみたいに「熱く」ならないにしろ、気質の強さは本犬種にやはり残されています。もちろんテリアの常として短気なところがあります。すぐに感情が熱くなってしまうのですね。他の犬を見ると、カッとして吠え出すこともあります。
家庭犬として世界中で人気の犬種ですが、ウェスティが自分にあった犬種なのかどうかをよく考えてから飼ってほしいと思います。もちろんこれは個体の気質にもよりますし、飼い主のこれまでの犬との経験、そして今後のしつけ方にもよるでしょう。ウェスティを飼ったならば、必ず子犬時からしっかりとしつけを入れることが出来る人が飼い主として理想です。子犬が思春期に突入する前(発情期の前)に、パピー・トレーニング・クラスなどを取って訓練を受けることをおすすめします。
これから飼い主になる、と言う人へのアドバイス
・可愛い顔をしているウェスティですが、その中には強いテリア気質が潜んでいます。小型ではありますが、気質は大型犬とそれほど変わりがない、という事実を忘れないように。
・強い狩猟本能があります。家庭で飼われている小動物も獲物対象物として捉えることがあります。気を付けて!
・他の犬に対して吠えるのは、強い番犬本能から。社会化訓練を充分に積ませること。
・トリミングが必要です。そのケアに手間隙をかけられますか?
・人の側にいるのが大好きな犬ですが、決して膝で抱かれるだけの犬にはなりません。のみならず、ただ、ぼんやりと散歩をするだけでは、ウェスティは嬉しくはないでしょう。心のつながりを求め、いっしょに何かをすることが大好きなので、何かアクティビティを与え「充実した犬ライフ」を与えてくださいね。
食べ物が大好きな特性を活かして
ウェストハイランドホワイトテリアは記憶力がよく、また集中力は抜群のイヌです。自分で考えそして働くのが好き。そんなイヌですから、クリッカートレーニングをするととてもよくトレーニングが入ります。それに何といっても多くのウェスティは食べ物が大好きですしね。なので、もしトレーニングがうまくいかない場合は、何故そうなってしまったのかよく考えてみてください。
もしかしたらご褒美がそれほど魅力的なものではなかったのかもしれません。トレーニングを長々続けすぎて犬が飽きてしまったのでは?あるいは、体の具合が悪いのかもしれないし、あなたのムードがイライラしていることに犬が神経質になっているのかもしれません。
・文:藤田りか子