シェトランド・シープドッグの歴史

皆さんは、愛犬の犬種の歴史を知っておりますでしょうか。今回はシェトランド・シープドッグの歴史をご紹介します。愛犬がどのような歴史をたどってきたのか覗いてみましょう。

その歴史

シェトランドシープ・ドッグは牧羊犬種です。羊を駆るほかに、農場を見張ったりすることにも使われていました。その歴史ですが、ノルウェーの西部からバイキングが、アイスランドからは漁師が、スピッツ系のイヌをシェトランド諸島に連れてきました。そこに本島のスコティッシュ・シープドッグという牧羊犬がまじわります。そのミックス犬はかつて「トゥーニー・ドッグ」と呼ばれていました。

トゥーニードッグは1800年代末頃シェトランド島にやってきたイギリス人によって見出されます。そして本国へ紹介されるやいなや、このユニークな牧羊犬は一気にブリーダーの注目を浴びることに。その後の発展はあっという間です。純血種となるよう改良が進められ、すでに1906年のクラフト展では、「シェトランド・コリー」という名で出陳されるようになりました。現在の「シェトランド・シープドッグ」と改名を受けるのは後の1914年のことです。

中型犬で模範的家庭犬かつスポーツ犬がほしいという人なら、シェトランド・シープドッグはピッタリの犬種でしょう。
シェットランド・シープドッグは身体的に機敏かつ頭の回転も早い、スピードのある犬種です。時に気がはやりすぎて、人間が号令を出す前にすでに動作を行っていることも!牧羊犬種の常で、相手の出す仕草に対して敏感に反応してしまうのです。

そんな繊細なところがあるにもかかわらず飼いやすいと言われるのは、飼い主の意向に沿おうと一生懸命なところがあるからでしょう。オフリードにしても、勝手にどこかに行ってしまうこともなく、絶えず飼い主の側にいてくれます。
シェットランド・シープドッグには生まれつきの吠えやすさがあります。
しかし多くの場合、飼い主の努力で問題は緩和されるもの。運動不足や精神的な刺激不足も吠えやすさの原因となります。

よく吠える、に対処するには?

残念ですが、シェットランド・シープドッグはよく吠える犬種です。これから本犬種を迎えようと思っているのであれば、この特性を予め承知で飼うこと。吠えやすいのは、シェットランド・シープドッグがシープドッグであるという歴史的特性によります。今では羊を集めたり番をしたりするような使役をすることはありませんが、その頃の名残があるのです。

シェットランド・シープドッグがよく吠える一番の理由は、見張り番をしているためのようです。多くの場合、何もアクティビティが与えられず犬が退屈を感じると、この見張りの行動が現われやすくなります。何もすることがなければ、何としてでも溜まったエネルギーを発散しなければなりません。
それで結局見張りの行動しかやることがなく、誰かが通ればすぐに吠え出すのです。

吠えを抑えるには、飼い主と犬との関係を改善する必要もあります。飼い主に対する信頼感が十分に培われていれば
「自分がやらなくてもおかあさんがやってくれる」と見張りの役割をすべてこちらに任してくれるはずです。

信頼感を植え付けるには、犬に「お座り」「お手」のトレーニングをするだけでは十分ではありません。日常の生活の中で「協調」が必要だ、ということも学んでもらわなければなりません。さてはて、これをどうやって犬に教えることができるのでしょうか? 

たとえば犬が何かしたいときは、そのまま好き放題にさせるのではなく、必ずあなたとアイコンタクトをとってもらってからその許可を与えます。それは玄関を出る前、食べ物を食べる前、車から出る前などなど…。アイコンタクトを犬に要求することで、犬は「私の希望は、おかあさんとまず何かをすることで叶えられるのね」という風に理解をしていってくれるはずです。

吠えを止めるために電気ショック機能のついた首輪を使う人がいます。しかしこんな方法で罰を与えたとしても、吠える行動を完全に取り去ることはできません。それどころかトラウマ状態にしていっそう臆病な犬(=一層吠えやすい犬)にしてしまうはずです。また、吠えることが出来なければ、他のことをして、その欲求不満をぶつけます。

もともと吠えやすい犬種なのですから、この犬から吠えを完全に取り除くのは不可能でもあります。なので早期から犬とのコミュニケーション力を強化するトレーニングを行なってください。そして犬を決して退屈させないよう、アジリティ、ノーズワーク、簡単なオビディエンスなどアクティビティを入れてあげましょう。もちろん毎日の散歩はかかさず!

文:藤田りか子

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